
Descripción
第9回 利き出汁会 〜煮干しを利く。青口と白口、その味の違い〜 煮干しの出汁、と聞いて、どんな味を思い浮かべますか。 味噌汁の、どこか懐かしい味。 うどんの出汁。 最近では、煮干しを強くきかせたラーメンを思い浮かべる方も多いかもしれません。 とても身近な出汁素材である「煮干し」。 けれど、ひとことで煮干しと言っても、その味はひとつではありません。 中が青黒いものもあれば、全体に白っぽく見えるものもあります。 その特徴から「青口(あおくち)」「白口(しろくち)」と呼び分けられることがあります。 青口は、しっかりとした力強い出汁。 白口は、比較的上品でやさしい出汁。 そんな傾向があると言われていますが、実際の味はそれほど単純ではないかもしれません。 産地が変わればどうなるのか。 脂の乗り方が違えば、出汁はどう変わるのか。 今回の利き出汁会では、「青口」と「白口」という2つの煮干しを入り口に、その違いを実際に味わってみます。 青口 ― 産地の違いを利く まずは青口。 今回は、青森、千葉、熊本・牛深の3つの産地を比べます。 青森の煮干しは、パンチは穏やかで上品な味わい。 千葉の煮干しは、バランスがよく、ラーメンの清湯系のスープなどにも使われるタイプ。 そして牛深の煮干しは、雑節の産地らしい燻したような香りがあり、コクのある出汁が特徴です。 同じ「青口」と呼ばれる煮干しでも、産地が変わると出汁はどのくらい違うのでしょうか。 同じ条件で出汁をとり、香り、色、味わいを比べてみます。 白口 ― 脂の違いを利く 白口では、少し視点を変えます。 今回比べるのは「産地」ではなく、「脂の乗り方」。 脂の少ないもの。 ほどよく脂が乗ったもの。 そして、脂の多いもの。 煮干しは自然の魚からつくられるもの。 同じ種類、同じ産地だからといって、いつも同じ状態とは限りません。 脂の乗り方によって、出汁の香りやコク、苦味、余韻はどう変わるのでしょうか。 今回は、瀬戸内を代表する煮干しとして知られる「伊吹いりこ」も交えながら、実際に飲み比べてみます。 今回の利き出汁会の目的 今回の利き出汁会では、煮干しについて知識を覚えることよりも、まずは自分の舌で違いを感じてみたいと思います。 どれが一番おいしいか、ということではありません。 上品な出汁が合う料理もあれば、力強い煮干しの香りが欲しい料理もある。 「自分はこの味が好き」 「この煮干しなら、こんな料理に使ってみたい」 そんな自分なりの物差しがひとつ増えると、いつもの味噌汁や料理も、少し違って見えてくるかもしれません。 出汁を利いたあとは、料理でも味わいます 出汁は、そのまま飲んだときと、料理になったときでは感じ方が変わります。 利き比べのあとは、今回のテーマである煮干しの出汁を使った料理もご用意します。 単体では個性的に感じた出汁が、料理になるとどう変わるのか。 どんな素材や味付けと相性がいいのか。 「利く」だけで終わらず、実際に「食べる」ところまで含めて、煮干しの魅力を体験していただきます。 ※料理はワークショップの一環としてご試食いただきます。内容は当日の仕入れなどにより変更になる場合があります。 今回の素材について 今回の煮干しについて 今回使用する煮干しは、群馬県高崎市の寿物産株式会社にご協力いただきます。 寿物産は、煮干しをはじめ、乾物・海藻・魚介などを扱う食品卸・小売販売会社です。全国各地の産地や仕入先とのつながりを生かし、さまざまな特徴を持つ煮干しを取り揃えています。 ひと口に「片口煮干し」といっても、産地や漁獲時期、脂ののり方、作り手によって、香りや旨み、苦み、余韻はさまざま。 今回は、関東ではあまり流通していないものも含め、特徴の異なる煮干しをご用意いただきます。 「同じ煮干しでも、こんなに違う。」 そんな煮干しの奥深さを、実際に飲み比べながら感じていただければと思います。 会場について 東京・南青山にある「合同会社くらしとデザイン舎」のキッチンスタジオです。 少人数でテーブルを囲みながら、出汁を見て、香りを感じ、飲み比べ、最後には料理として味わいます。 講義を一方的に聞くというよりも、参加者のみなさんと一緒に話しながら進める、小さな研究会のような時間です。 主催者プロフィール 山根 正充(やまね まさみつ) 合同会社くらしとデザイン舎 代表 だしソムリエ認定講師 1977年神奈川県生まれ、東京育ち。国立音楽大学 音楽デザイン学科卒業。 広告制作会社でアートディレクターとして約15年間勤務したのち、2020年に合同会社くらしとデザイン舎を設立。 現在は、デザイン、写真、映像、取材・編集などを通して、一次産業や食、地域の文化に関わる仕事を行っています。 一方で、だしソムリエ認定講師として、出汁や食文化を伝える活動をライフワークとして続けています。 発酵マイスター、食品表示診断士、食品衛生責任者。 東京・南青山の事務所にキッチンを構え、「利き出汁会」をはじめ、食や出汁をテーマにしたさまざまなワークショップを開催しています。