説明
続きを読む
クーリエ・ジャポンは、映画 『LOST LAND/ロストランド』 の上映会イベントを、11月11日(水)に開催いたします。本作の監督である藤元明緒氏と東京藝術大学特任講師の江上賢一郎氏をお招きし、映画の鑑賞後、世界中で分断が進むいま、フィクション作品や芸術が果たす役割や、それを鑑賞することの意義などについて対談いただく予定です。 現代はよく「分断の時代」と言われますが、思想や価値観などによる対立が世界中で深まっていると感じている人は多いのではないでしょうか。 立場の違いを示す争点としてよく上がるのが、「移民・難民」に対する考え方です。この問題について分断が加速している背景には、世界的なインフレや第二次トランプ政権の発足といった政治・経済的な要因の他、SNSや生成AIといった新しいテクノロジーの台頭などがあると指摘されています。 政治や社会、情報発信や創作物の在り方が大きく変わろうとしている一方、今年、ロヒンギャの人たちを題材にした劇映画『LOST LAND/ロストランド』が注目を集めました。ロヒンギャはミャンマーのイスラム系少数民族で、長年祖国で激しい迫害を受けており、多くの人が難民になっています。 『LOST LAND/ロストランド』は国際的に高い評価を受けており、世界三大映画祭のひとつベネチア国際映画祭でオリゾンティ部門審査員特別賞など3つの賞を受賞したほか、これまでに世界の映画祭で19冠を獲得。忘れられつつあったロヒンギャの危機的な状況に対し、再び国際社会が関心を持ち、連帯を示すきっかけにもなりました。 本イベントでは、監督の藤元明緒氏と、アートとアクティビズムの関わりなどについて研究されている東京藝術大学特任講師の江上賢一郎氏をお招きし、国境を越えた移動を余儀なくされた人たちがテーマ・当事者となったフィクションや芸術作品を制作・鑑賞する意義についてご対談いただきます。 江上氏は、移動する人々の知識や経験、活動が現地の異なる文化や価値と「接木」することで、ハイブリッドな文化実践やネットワークを主体的に生み出してきたと指摘されています。ロヒンギャの人々、そして藤元監督が「接木」したことで生まれた新たな文化的価値を、芸術や社会運動の観点からご解説いただきます。 司会は、2017年からロヒンギャ難民を取材し、その成果をもとに今年、小説 『「0825」に私たちは殺され続ける』 を上梓したライターの今泉千尋が務めます。 世界中に広がる分断や移民・難民への排斥に対して、人文知は何ができるのかを考える貴重な機会です。どうぞご参加ください。 ※本イベントの会場は映画上映専用の施設ではないため、画質や音響について専門設備のクオリティには及ばない点がございますが、参加者の皆さまになるべく快適にご鑑賞いただけるよう最善のセッティングをしております。あらかじめご了承いただけますと幸いです。 【スケジュール(予定)】 18:00 受付開始 18:30 映画上映スタート 20:10頃 対談開始 21:00 閉会 【会場】 東京都渋谷区恵比寿南3丁目5-7 デジタルゲートビル3F (JR・日比谷線恵比寿駅、東急東横線代官山駅より徒歩5分) 【参加費】 一般 1800円 プレミアム会員・学生会員 1500円 ※プレミアム会員、学生会員はクーリエ・ジャポンのマイページを受付でご提示ください。 プレミアム会員のお申込みは こちら 学生は卒業まで完全無料、学生会員のお申込みは こちら 【定員】 50名(先着順) 【登壇者プロフィール】 藤元明緒 FUJIMOTO Akio 映画作家。1988年、大阪府生まれ。ビジュアルアーツ専門学校大阪で映画制作を学ぶ。在日ミャンマー人家族を描いた初長編『僕の帰る場所』(2017年)が第30回東京国際映画祭アジアの未来部門で作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞。ベトナム人技能実習生を描く長編第二作 『海辺の彼女たち』 (2020)を公開。同作品はPFF第3回「大島渚賞」、2021年度「新藤兼人賞」金賞などを受賞。ロヒンギャ難民を題材にした最新作 『LOST LAND/ロストランド』 が第82回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞。 江上賢一郎 EGAMI Kenichiro 文化研究者、東京藝術大学特任講師。福岡県生まれ。博士(学術)。2010年代のアジアにおけるアート・アクティビズム、自主管理空間、社会運動と文化実践のネットワークを研究する。これまで執筆やフィールドワークに加え、オルタナティブ・スペースの運営などにも携わってきた。近年は、アジアにおける木版画運動のネットワークと協働の実践に関心を広げ、展覧会「脱境界:インターアジアの木版画実践」(2023年)、第8回横浜トリエンナーレ「野草」(2024年)などにも携わる。共著書に 『移民・難民・アート 越境する想像力』 (ヘウレーカ)などがある。 ロヒンギャとは? ミャンマー西部ラカイン州にルーツを持つイスラム系少数民族。同地に何世代にもわたり暮らしてきたが、ミャンマーでは「隣国バングラデシュから来た不法移民」とみなされ迫害を受けており、多くの人が「無国籍」の状態にある。そのため教育や医療といった基本的な公共サービスへのアクセスが著しく限られており、生活は困窮している。2017年8月にはミャンマー軍がラカイン州北部のロヒンギャの居住地で大規模な軍事作戦を展開し、約75万人がバングラデシュに逃れた。現在はラカイン州でミャンマー軍と仏教徒少数民族の武装グループの内戦が激化していることから、いまでもバングラデシュに逃れる人は増え続けており、キャンプで生活するロヒンギャ難民の数は120万人に達している。